4.ラミレジィの育成 – 初期飼料と稚魚を育てるコツとポイント

このページではラミレジィの稚魚育成について、大まかなポイントとコツを紹介します。ラミレジィの繁殖はエンゼルフィッシュやアピストグラマなどの同じシクリッドに比べますと、やや難易度が高くなります。この難易度がやや高くなる理由の一つが生まれてきた稚魚の大きさです。

ラミレジィの稚魚は同じくらいのサイズであるアピストグラマ類と比べても、そのサイズは一回り小さく、稚魚の初期飼料として用いられるブラインシュリンプでは、孵化したてのノープリウス幼生でも大き過ぎて口に入らずに食べられないケースも少なくありません。

その為、ラミレジィの稚魚が泳ぎだして2~5日ほどの期間はもっと細かい飼料を用意する必要があり、この部分がラミレジィの繁殖をやや難しいものとしている原因です。アピストやエンゼルが繁殖できてもラミレジィが殖えないと嘆くケースはこの初期飼料をうまくコントロールできていない場合が大半と考えられます。

このラミレジィに与える初期飼料は理想的に言えば、インフゾリアと呼ばれる目に見えないような微生物の仲間、具体的にはゾウリムシなどや、ワムシのような活きた餌です。しかしながら、これらの初期飼料はブラインシュリンプと比べて、用意する事も維持する事も難しく、一般的ではありません。


インフゾリアの一種、ゾウリムシは
自ら培養して維持する手間が必要です。
しかし、鶏卵やパウダー飼料に比べて
格段に水の汚れが少ない優秀な飼料です。

そのようなケースに昔から利用されているのが、鶏卵を溶いて与える方法です。この方法は、まず鶏卵を充分に固ゆでしたものを用意する事から始めます。この固ゆでした黄身の部分を水に解くと非常に細かい粒子になる為、細かくなった黄身の部分をスポイトで水と共に吸って極少量を与える方法です。

この行為を数日間、出来れば3~4日は続けると、稚魚が一回り大きく成長する為、様子を見ながらブラインシュリンプへ切り替えるのが理想的です。可能であれば、しばらくは鶏卵の黄身とブラインシュリンプを併用すると生存率も高くなるのでお勧めです。

また、近年では冷凍飼料の発達により、冷凍のワムシも発売されるようになりました。鶏卵を利用する以外の方法として、これらの製品を利用するのも良いでしょう。ブラインシュリンプを食べるようになると成長は早く、与える量や回数にもよりますが、1ヶ月ほどでだいぶ体高も出て小さなラミレジィらしい姿まで成長します。


冷凍されたワムシは生きたインフゾリアほど
ではありませんが、ブラインシュリンプを
食べられない稚魚の餌に有効です。

その後、高い水温と広い水槽で充分な餌を与えて育てると、3~4カ月ほどで早ければ繁殖可能な成魚にまで成長させる事が可能です。成長を早めなくとも5~6カ月ほどで親魚まで成長すると考えて良いでしょう。ただし、繁殖と言う行為は命を扱う責任を持って行わなくてはならない行為です。無計画な繁殖を行い、川に捨てるような行為は絶対に止めて下さい。

厳しいようですが、楽しそうだから・・・と言う気持ちだけなら生き物を殖やす資格はありません。このサイトを読まれた方々が繁殖と言う行為を行うに辺り、責任を持って飼う事が出来る事を良く計画してから、取り組まれる事を何よりも強く願い、この繁殖についての記載を終わりにしたいと思います。

ラミレジィの繁殖方法 コンテンツ一覧

1.ラミレジィの繁殖 – 繁殖形態とその習性について
2.ラミレジィの繁殖に挑戦 – 水槽の大きさ、設置環境などに配慮
3.ラミレジィの子育て – 順調に育成するためのフィルター設備
4.ラミレジィの育成 – 初期飼料と稚魚を育てるコツとポイント

魅惑のラミレジィ コンテンツ一覧

■ラミレジィ 種類図鑑 – 多彩な色彩を持つ改良品種の種類と特徴を解説
■ラミレジィ 飼育マニュアル – 必要な水槽の大きさや適した飼料(餌)、水温・水質やフィルターの適正など
■ラミレジィ 混泳マニュアル – ラミレジィ同士の混泳~種類別の相性の良い熱帯魚の紹介
■ラミレジィの繁殖方法 – 繁殖形態~必要な水槽設備、稚魚の育成方法など
■ラミレジィの病気と治療 – 症状と必要な治療に使う魚病薬の種類など
■ラミレジィ Q&A – よくある質問とアドバイス集
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