ツリガネムシの寄生により発病する「エピスチリス症」の症状と治療に必要な薬と対処方法

このページでは、ラミレジィが罹る病気の一つ「エピスチリス症」の症状と治療方法を掲載します。

この病気はツリガネムシと呼ばれるエピスチリス(Epistylis)が魚の体表や鰭、鰓などに集落をなして寄生することにより発病する病気です。原因となる寄生虫は線毛虫類のエピスチリス・ロンギコーポラと考えられており、伸縮性の強い体で伸びた状態で長さ400μm、直径75μmほどとされています。

このエピスチリス症は私自身、ラミレジィの飼育・繁殖を20年以上も続けていますが、実際にこの病気を目にしたことはありません。感染源となる寄生虫が存在しない環境下では、感染する可能性は非常に低いため、このような病気もある…程度に覚えておく程度で良いでしょう。

エピスチリス症の病状について

エピスチリス症の原因となるエピスチリスは非常に小さく、肉眼で観察することはできませんが、この病気するとたくさんのエピスチリスが群生して寄生することになり、結果として魚の体表や鰭に白い白色状~白雲状の症状が現れることになります。

イカリムシやウオジラミとは異なり、エピスチリスそのものが、寄生によってラミレジィから栄養を摂取する訳ではなく、エピスチリス自体は魚の体表や水中に存在する細菌を餌として生活します。

但し、寄生された部位の表皮は脱落して腫瘍化を招く恐れがあり、その部分からカラムナリスなどの細菌感染などが起きる、二次的弊害が発生する可能性があるため、好ましくはありません。

エピスチリス症の治療方法

エピスチリス症の治療はマラカイトグリーン飽和液を患部に直接、塗る方法や0.3ppmの濃度で12時間の薬浴で治療できるとされています。また食塩0.2%で8時間以内、2%で5分以内の薬浴でも効果があるそうですが、ラミレジィはあまり塩分を好まないため、塩水浴についてはお勧めしません。

他にもグリーンFを10Lに対して1gの投薬やメチレンブルーを1~2ppmで使用する事でも効果があるとされています。入手可能ならばホルマリン薬浴も有効ですが、一般的にはマラカイトグリーンかメチレンブルー、グリーンFを利用するのが妥当な線でしょう。


グリーンFはエピスチリス症の二次的弊害が発生する
カラムナリス症などの予防にもつながります。

エピスチリス症の発病を予防する

エピスチリス症はラミレジィやコリドラス・パレアトゥスに見られる病気で、極端に恐れる必要はありませんが、病原体であるエピスチリスを水槽内に持ち込まないようにすること、また魚の体力が消耗して免疫力の低下も原因となるため、日常管理をしっかりと行うことが大切です。

特に一般的なアクアリウムショップの場合、世界中から様々な種類の熱帯魚が輸入されて販売されています。それは同時に世界中の病原体も集めてしまっている為、ブリーディング専門のお店と比べて、病気になる可能性は確実に高くなってしまいます。

特に衛生管理に問題があるお店の場合、購入した魚から病気を持ち込む危険性は高くなりますので、メインの水槽へ魚を導入する前にトリートメント作業を行い、水槽全体に病気を持ち込ませない心掛けが大切です。

参考資料

日本動物薬品(株) 知っておきたい魚の病気と治療 P26.27

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