外見では判別が難しい「エラ病」の症状と治療に必要な薬と対処方法

このページでは、ラミレジィが罹る病気の一つ「エラ病」の症状と治療方法を掲載します。

この病気は主に「ギロダクチルス」と「ダクチロギルス」と呼ばれる吸虫の寄生によるタイプが大半を占めます。また白点病の原因となるイクチオフィチリウスやウーディニウムなどの寄生によっても発病する場合があります。

エラ病の病状について

この病気は主にエラに寄生虫が寄生する事により、呼吸困難となり、やがて次第に衰弱したり、窒息死する病気ですの総称です。この病気は外見上は特に変化が無くエラ蓋がやや脹れていたり、魚が体をかゆがって水草や流木、パイプなどに鰓蓋を擦りつけるような動作をする場合もあります。

呼吸速度も一般的な速度よりも早くなる場合が多いようですが、呼吸が粗くなるのはよほど重症と呼べる状態の為、そうなる前に発見して治療を試みるのが理想的と言えるでしょう。

主な感染経路としては、すでに感染している新しい魚を水槽に追加してしまった場合や、与えている餌により病原体が持ち込まれる場合が大半です。健康な魚の場合は特に問題は起き難く、衰弱した魚の場合は調子を崩して死亡するケースも多く見受けられます。

エラ病の治療方法

「ウオジラミ」や「イカリムシ」の駆除に効果のある「トリクロルホン」を主成分とした魚病薬を利用する事で治療する事も可能ですが、このトリクロルホンは熱帯魚にとっても毒性が強く、特に古代魚やナマズ類には禁忌と言っても良く、また節足動物に効果があるように作られているため、エビの居る水槽には絶対に使えない薬です。

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キョーリン 魚病薬 ムシクリア液
主成分にトリクロルホンを使った魚病薬は
ラミレジィにとっても毒性が強い薬です。

毒性の強いトリクロルホン以外で有効な治療薬として「プラジカンテル」の利用がお勧めです。バイエル薬品(株)より発売されている「ハダクリーン」が魚類の寄生虫駆除剤として利用可能です。

ハダクリーンが入手できない場合、プラジカンテルは犬用の薬として、個人輸入で入手することもできます。下記に購入可能なサイトを載せておきます。

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キウォフプラス犬用20錠/箱
キウォフプラス犬用20錠/箱
上記の画像から購入ページに進むことができます。
通販の感覚で個人輸入できるため、購入は容易です。

ハダクリーンは100gにプラジカンテル50gが含まれています。キウォフプラス犬用は1錠にプラジカンテルが50mg、個人で使う場合は消費量が少ないため、ハダクリーンよりもキウォフプラス犬用が良いかもしれません。

このハダクリーンは製品情報としては飼料に混ぜて与える方法が推奨されていますが、他の魚病薬と同様に水に溶かした薬浴でも十分な効果が期待できます。薬浴を行う場合、飼育水10Lに対して0.3gのハダクリーンを使用します。薬浴は24時間後に全換水を行い、1週間のサイクルで3回行うのが良いとされています。

ハダクリーン0.3g=プラジカンテル0.15gですので、0.15g=150mgとなりますから、キウォフプラス犬用を3錠で同様の濃度が期待できます。

尚、プラジカンテルは水に溶けにくい性質があるため、0.3gを溶解させるには750mlの水が必要で、ペットボトルやプロテインシェイカーなどを使い、よく撹拌して利用するのがベストです。エタノールに溶けやすい性質があるため、エタノールに溶解させる場合は3mlで0.3gを溶解させることができます。

水槽のサイズが大きい場合、ハダクリーンを水に溶解のは大変なので、エタノールを利用する方法のほうが無難かもしれません。エタノールの入手は薬局やヨドバシ.com、Amazonなどで売られている「無水エタノール」を使うと良いでしょう。

また入手が可能な場合は「ホルマリン」の利用が効果的です。使用方法は飼育水10Lに対して0.5cc~1ccのホルマリン溶液(ホルムアルデヒド37%水溶液)を加えて3~4時間後にの全換水を行い、一度では完全に駆除できない為、3日~5日毎に反復使用を行い、最低でも3回以上は行うことで大半の場合は完治します。

エラ病を予防する方法

エラ病の発生を予防するのに最も効果的なのは、病原体を水槽内に持ち込ませない事です。特に一般的なアクアリウムショップの場合、世界中から様々な種類の熱帯魚が輸入されて販売されています。それは同時に世界中の病原体も集めてしまっている為、ブリーディング専門のお店と比べて、病気になる可能性は確実に高くなってしまいます。

特に衛生管理に問題があるお店の場合、購入した魚から病気を持ち込む危険性は高くなりますので、メインの水槽へ魚を導入する前にトリートメント作業を行い、水槽全体に病気を持ち込ませない心掛けが大切です。

参考資料

ハダクリーンで寄生虫の薬浴治療した例と使用方法

ラミレジィの病気と治療方法 – 魚病の種類一覧

1.熱帯魚の病気で最も多い「白点病」の症状と治療に必要な薬と対処方法
2.感染力が強く致死性の高い「カラムナリス症」の症状と治療に必要な薬と対処方法
3.体にカビが生えてしまう「水カビ病」の症状と治療に必要な薬と対処方法
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5.ツリガネムシの寄生により発病する「エピスチリス症」の症状と治療に必要な薬と対処方法
6.外見では判別が難しい「エラ病」の症状と治療に必要な薬と対処方法
7.白い糞(透明な糞)に見える「腸管鞭毛虫症」の症状と治療に必要な薬と対処方法
8.新種の病気?体表へ付着する「線虫寄生症」の症状と治療に必要な薬と対処方法(準備中)

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